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人に生まれてきて、誰もが望むこと、それは幸せになることです。より幸せな人生を送るために、僕たち人間は、毎日仕事や趣味などの活動に取り組み、日々の向上を意識して生きています。
それでも一向に幸せになれない。一生懸命計画を立て、実行し、日々努力していても、瞬間的な満足しか得られず、空虚感が膨れ上がる一方。こんな毎日を送る中、何が幸せ(満足)を妨げているのか、自問する日々が続きました。
自分には何が足りないのか。
自分の人生を良くするにはどうすればいいんだ。
今までの努力は無駄だったのか。
辿り着いた場所はここか?
何もかもが幸せからかけ離れていて、空虚感と絶望感、無力感から怒りの感情が込み上げてきます。
幸せになるためには「もっと」こうすればいいんだ!
今までの行動が足りなかった。まずそう結論づけました。
幸せを感じないのは自分の取り組みが甘いせいだ。もっと自分を追い込もう。もっと出来なかったことをしよう。そう思いました。
もっと計画的にならないといけないかもしれない。
もっと頑張らないといけない、努力が足りないのかもしれない。
もっと周りに優しくならないといけないのかもしれない。
もっと協調性を高めないといけないのかもしれない。
もっとこうした方が絶対いい。
もっと素晴らしい人間にならなくてはならない。
自分に足りないであろうことをとにかく意識し、それらを補えば幸せが付いて来る。そう信じて行動に移してみたのです。
「もっと」の根本は欠落感
人は向上心が大きな原動力となる動物ですから、自分の改善すべき事がわかることは、素晴らしいことです。しかし、この「もっと」どうにかしなければならないという意識には大きな落とし穴がありました。
それは何かと言うと、その「もっと」が、自分の欠落感を強調してしまい、その「もっとこうすべき事」が出来ていない自分が、自分をもっと嫌いにしてしまうのです。幸せに近づいているどころか、幸せから遠ざかっている。これでは幸せのための意図、計画が逆効果。別の角度からの自分のあら探しになっている事に気づきました。
この「足りないことを補う」ことが「幸せ」には繋がっていないというヒントを得て、「幸せ」に対する考え方、意識の仕方を見直すこととなったのです。
そして次に考えたのが、今までに積み上げてきた自分の人生における実績や選択は、今の幸せに繋がっているのか、という疑問です。
自分が持っているものと満足(幸せ)は直結しない
自分のあら探しはやめました。もっとを追求することもやめました。じゃあ今までに自分の積み上げてきた物は自分に幸せをもたらしているのか。また別の角度から自問することにしました。
今この文章を書いている自分は29歳ですが、29年も生きているとなると、どういう基準で事を言うかどうかは別として、ある程度の経験や知識、人脈、人生は築き上げてきたつもりです。
家族に恵まれ、幼少期はあるがままに過ごし、10代からは海外留学を経験し、英語も習得。仕事の面では、ハタチ過ぎから独立起業して、そこそこの実績を残しました。
恋愛経験は豊富ではありませんが、決してブサイクでも全く異性から好かれないわけでもなく、22歳で早くも結婚、子供も授かりました。しかしその結婚生活も幸せは長く続かず、幸せだと思ったことが幸せではなく、お互いの幸せのために離婚するという決断を下したものの、それも別に今の幸せに繋がっているとは思えません。
「もっとこうなれば良い」という未来への期待。
「ずっとこうして来たのに」という過去への執着。
どちらも自分の幸せには繋がっていない。 でも今が幸せじゃないから、未来と過去に頼るしかない。 でもどちらも無理だった。
じゃあどうすればいいのか!?
チェックメイトです。
どこに自分の満足、そして幸せがあるのかがわからない。
探す場所がなくなってしまったのです。
未来と過去には自分を幸せにする要素がない
未来と過去には自分を幸せにする要素がないのかもしれない。人生今しかないとは良く言ったものです。
過去は過ぎ去ったことだから関係ないし、未来が自分を救ってくれると勘違いしていれば、ランニングマシンで体力を消耗し続けるだけで、さらなる不幸感を生むのかもしれない。
人生が有限の時間であり、時間という概念から過去と未来を取れば、今が残る。 今が幸せでなければ、一瞬の快楽だけを求める生き方になってしまう。 幸せを過去の実績に頼っても、それは過ぎ去ったものに執着する生き方になってしまう。
それでは幸せな人生とは言えないと思いました。
幸せについて本気出して考えてみた結論
この考察のまとめとして、僕なりに辿り着いた結論はこうです。
「不幸」=「今を直視できない(過去と未来に頼る)」ということであれば、
「幸せ」=「今という一生付き纏うこの一瞬と共に在ること」なのかもしれない。
ではこの幸せの度数を高め、この瞬間感じる歓びに深みをもたらすにはどうすればいいのか。
これこそ人生という幻想を健全に生きるための最大の課題です。
今とどう仲良くなって、今の質をどう高めていくか、という課題です。
※この記事は、2019年2月26日(当時29歳)、著者が2018年末にパニック障害を患い、療養のため山村に滞在していた際、自分のノート(Evernote)に収めた「幸せになる」というノートを編集、投稿したものです。