酒タバコ運動不足、ゲームや動画三昧より体に悪いものがあるのをご存知でしょうか。そう、それは自己嫌悪です。自分が自分を嫌うことが体に一番悪い。自己嫌悪が一番体に悪いんです。では自己嫌悪とは一体何なのか。「自分を嫌って悪く思う」と書きますが、そんな一言で表現できるほどシンプルなものではありません。
自己嫌悪とはずばり、小さな自己否定が年月をかけて積み重なったものです。自己否定が潜在意識と変わってしまった状態で、全てを「自分を嫌わないようにするため」という基準で生きるようになってしまっている状態です。
自分のここがダメでここが嫌い。だからそれを補うために何かをする、何かを得る。すべての行動が、中性(ニュートラル)な場所からの判断ではなく、負(マイナス)を埋めるための行動となってしまう。これが自己嫌悪という状態で伴う症状であり、自己嫌悪を無くしていかなければならない最大の理由です。マイナスや劣等感という感覚を起因とする行動に、良い結果が伴うわけがないのです。
お酒をたくさん飲んだり、タバコを吸ったり、一日中ソファに寝転んでダラダラしたり、一日中ゲーム三昧動画三昧でジャンクフードしか食べない。これら全てはかなり体に悪そうな生活習慣ですが、それをする自分が嫌いでなければ、身体的悪影響を除いて、何の問題はありません。
自分が自分を嫌うことが体に一番悪い。自己嫌悪が一番体に悪いんです。
いやいやいや、自分のことなんて別に嫌いじゃないし、自己嫌悪なんか自分には無関係、そう思われるかもしれません。しかしこの自己嫌悪は、自分で気づくことが非常に難しい意識状態なのです。自己嫌悪という状態が「普通」になりすぎてしまって、自分が自分を嫌っていることすらわからなくなってしまう。これが自己嫌悪の最大の問題であり、厄介なところです。
この記事では、自己嫌悪の仕組みの解説、そして自己嫌悪をどのように乗り越えて、どのように自分本来がもつクリエイティブパワーを取り戻していくことができるのかを解説していきたいと思います。
目次
自己嫌悪の原因と最大の問題
自分を嫌ってしまう原因は、言い方がこれしかないのが歯痒いですが、ありのままの自分を認められないことに起因します。自己嫌悪は、どんなに人も、どんな状況下においても起こりうるものです。どんなスーパースターでも陥ってしまう可能性がある、ごく身近なものです。
ありのままを認められないということは、下記のいずれか、もしくはすべてが当てはまっているということと定義しています。
自分を認められない思考パターン
- 自分はまだまだと思っている
- 自分には欠落があると思っている
- 他人と比べないと自分の価値を見いだせない
- 自分の価値を自分ではないもので埋めようとしている
- 勝手な思い込みで、勝手な常識を作り、勝手に自己否定している
これらが自己嫌悪の根本的原因となる思考パターンです。これらを、人それぞれが、人それぞれに頭の中でお話を膨らませて、自分で自分を勝手に嫌っているという状態が、自己嫌悪の根本的原因です。完全に自動で行われるので、自分が自分を勝手に追い込んでいることに気づけません。
自己嫌悪には2種類あります。プラスな視点から自分を嫌うパターンと、マイナスな視点から自分を嫌うパターンです。
プラス視点からの自己嫌悪
プラス視点からの自己嫌悪は、自分に厳しい完璧主義者や理想の高い人によく見られ、何を達成しようと自分に欠落を見出してしまう人が陥りやすい症状です。
- 結果を残せていない自分を嫌う
- 自分との約束事を守れない自分を嫌う
- 他人と比較して自分を嫌う
マイナス視点からの自己嫌悪
マイナス視点からの自己嫌悪は、過去を手放せていなかったり、被害者意識の高い人によく見られます。過去を浄化できず、それに依存してしまっている自己嫌悪です。
- あの時あれが出来なかった自分を嫌う
- 過ちを犯してしまった自分を嫌う
- 誰かに嫌な事された自分を嫌う
プラス視点もマイナス視点も、入り口は異なるものの、行き先は一緒です。多大なる自己否定です。これでは私たち人間が持つ可能性と創造性を表現できるわけがありません!繰り返しますが、自己嫌悪の最大の問題は、この自己嫌悪という状態が「普通」になりすぎてしまって、自分が自分を嫌っていることすらわからなくなってしまうことです。
次に自己嫌悪が私たちに及ぼす悪影響について掘り下げていきましょう。
自己嫌悪が及ぼす悪影響
自己嫌悪は、精神的、そして身体的に様々な悪影響を及ぼします。ただ自分を嫌っているだけという状態で済まされるものではなく、実感できる症状が伴うものが自己嫌悪なのです。慢性的な疾患と言えます。
精神的な悪影響「行動力の低下」
精神的な悪影響は、行動力の低下です。自分の思考で言葉になっていなくても、潜在的に「どうせ無理」「やっても無駄」という制限を自ら作り出してしまっている状態です。これは人間として生きる上でめちゃくちゃ勿体ない。
本当はできること、本来は楽しめることでさえも、自ら自分でSTOPをかけてしまい、一切取り組まなくなってしまう。これではせっかく生きているのに勿体ないとは思いませんか?あなたの勝手な思い込みが、あなたのハンドルさえも奪ってしまっているということです。
行動力低下は「あなたの夢に関わるものだけ」
ここで気をつけなければならないのが、この行動力の低下は、自分が本当に取り組んでみたいと思っていることへの行動力であるというところです。「あなたの夢に関わるもの」のみ、取り組むことができなくなってしまうということです。
嫌と思っていても、義務だからできる行動はある。しかし「あなたの夢に関わるもの」は一切の義務ではありません。あなたの夢を追えるのはあなただけなのです。
自己嫌悪は現実逃避への行動力を増幅させる
そして怖いことに、義務だからできる行動以外に、自己嫌悪を避けるための行動が増えてしまうのです。つまり、逆の行動力、自分を避ける力がみるみるアップしてしまうのです。
自己嫌悪を補うための自己破滅型の行動が増えてしまうのです。これが自己嫌悪の一番恐ろしいところかもしれません。おっかないです!
代表的な自己破滅型の行動
- 中毒(酒タバコ過食インターネット)依存(過剰な刺激と現実逃避)
- アンチ化(自己嫌悪のない人を嫌う)
- 八つ当たり(嫌悪の行き先を親類に当てる)
- 物欲の増加(物で自己嫌悪をなくせると思ってしまう錯覚)
- 不自然な異性への求愛(自分を見なくて済む)
これらはどれも自己嫌悪を感じさせなくしてくれるものです。自己嫌悪そのものをなくすわけではなく、とある行動を通じて自己嫌悪という感覚を麻痺させているというもの。本人が気づいていなくても、これらの無意識なオーバードーズは、自己嫌悪から目をそらしている状態で、残念ながら自己嫌悪を増幅させてしまっています。
(だから何をしても満たされないし、ネットで調子よくやってそうなやつがムカつくし、唯一の本当の仲間であるべき家族を敵に回すし、物を買っても長くは幸せでいられないし、異性と付き合っても幸せが続かないのです)
身体的な悪影響「不調と怪我」
次に身体的な悪影響です。身体的な悪影響は、自分が嫌いな自分を、さらにもっと嫌いにしてくれるような症状が現れるということです。
これは全く科学的根拠のないお話で、あくまでも著者の実体験でしかないのですが、風邪などではない、慢性的な自己免疫疾患や自律神経失調症の起源には「こんな自分嫌だ!」という潜在的な感情が潜んでいるのではないか、と思うのです。
「自分が嫌いだったらもっと嫌いにさせてあげるよ」と言わんばかりに「こんな自分嫌だ!」という感情を増幅させる症状が現れるのです。
さらには定期的に怪我をするという事を引き寄せている人々もいるようです。体調不良と怪我さえあれば、行動しない言い訳にピッタリです。この身体的な悪影響も、結局は精神的悪影響に繋がっており、最終的には「自ら自分を思い通りにさせない」「自ら自分を行動から遠ざける」という行動力低下状態になります。
一番は精神的悪影響(行動力の低下)ですが、身体的な悪影響も、精神的悪影響と同じように作用することを覚えておきましょう。
自己嫌悪を越える方法
ではこの自己嫌悪に解決策はあるのか。この魂にこびりついた手強いフィルターをどう掃除すれば良いのか。自己嫌悪を越える方法はあるのか?
ここまでを読んで、もしあなたに、長い期間自己嫌悪を続けてきてしまった、というお心当たりがあるのであれば、それは今日明日に自己嫌悪を手放せるというものではありません。冒頭にもあるように、自己嫌悪は慢性的な意識状態で、自分を嫌っていることすら気づかなくなってしまうことがあります。
第一に、自己嫌悪は結果であることに気づくことです。気づいたら自分を嫌いになっていた。ということは、自分を嫌いでも好きでもなかった、元の状態が必ずあるということです。
つまりは、自己嫌悪は越えるものではなく、気づくだけでいいのです。気づくだけでいい。気づけないから負のスパイラルに入ってしまうわけで、気づくことができれば、そこから自分の本来の意志に耳を傾けて、行動に変えていけばいいのです。
自己嫌悪に気づく方法
自己嫌悪にどれだけ私たちがコントロールされているかは、どれだけ前述の「自己嫌悪感をなくすための代表的な行動」をしてしまっているかが指標となります。「自分が本来持っている意志がどれだけ消されてしまっているか」の大きさです。
ということは、自分が目指す自分の最高の姿から遠ざけている行動パターンに気づくことができれば、それは自己嫌悪に気づくことと同義であると言えます。
自分はどのような時に自分から逃げたくなるのか。自分はどんなシチュエーションで自分から逃げたくなるのか。その逃げたい感覚こそ、あなたの自己嫌悪ということになります。
常にそのアンテナを張って、自分に自己意識の光を当て続ける。それが自己嫌悪に気づく唯一の方法です。
さいごに
人生は人として生きると書きます。人として生きているのに、その本人を嫌っていては本末転倒。自己嫌悪は私たちの人生の豊かさを阻んできます。
自己嫌悪を一瞬で手放せることが出来たらそれがベストですが、自己嫌悪は慢性的な意識状態です。自分が日々生きていく中で、どのように自己嫌悪が自分を制限し、コントロールしてしまっているかを、まずは自己観察できるようにならなければなりません。
観察できるようになるにはまず、自分が自分を嫌っていることを認めることからスタートです。成長は自分を認めることからスタート。自分が下手であると認められない人は、何事も上達できないのと同じです。
人生、結局自分自身と一生生きるのです。自分との関係性が結局一番大切、ということ。自分を愛せ、自分を好きになれとは言いません。ありのままの自分を認めて、自分なりに一生懸命生きればいい、ただそれだけです。