目次
僕は18歳の時、親父を自殺で失いました。この記事は、そんな僕が家族を自殺で失った当事者として、自殺をしたい人への思いをまとめたものです。
自分が自殺してしまったら何も書けませんが、この上なく親近な父親が目の前で自ら命を絶ったという経験をしていますから、少しはこの自殺と命についてを語れる気がするのです。そしてこのメッセージを今まだ命がある貴方に捧げたいと思います。
別にあなたに生きてもらいたいとも死んでもらいたいとも思っていません。だってあなたが生きようと死のうと私には関係ありませんから。あなたも僕を知りませんし、僕もあなたを知りません。そしてこの記事は自殺したいあなたを説得するものでもありません。あなたの自由ですから。
ただの読み物です。死ぬなら読んでから死んでください。
お前が消えて喜ぶ者にお前のオールをまかせるな
中島みゆきさん作詞作曲、TOKIOの唄の宙船(そらふね)という曲をご存知でしょうか。大海原、いやこの大宇宙を進む船を人に喩え、お前の船はお前が漕げ!お前の舵はお前が握れ!というメッセージが込められた、元気づけられる曲です。
その曲中に「お前が消えて喜ぶ者にお前のオールをまかせるな」というフレーズがあります。オールとは「舵」。つまり意志を指します。
お前が死んで喜ぶやつにお前の意志を預けるな
という意味です。
自分は自分の船を進めるために生きている。自分の進みたい方向、自分の進みたい方角を自分で選択する旅が人生というもの。
ここで自分に尋ねていただきたいのが、自分の舵はちゃんと切れているか?という質問です。ちゃんとした判断を下して、変えるべきルートはちゃんと変えているでしょうか。無理矢理に険しい道を進もうとはしていませんでしょうか。
死んだ親父を見ていた限り、プライドの高さ故に、ルート変更が苦しかったように見受けられました。家族に迷惑をかけるとか、今の幸せが失われる等という心配から、意地でも舵を切らずに進もうとした結果、道に耐えきれず、自ら命を断つに至ったと。
人生で大切なのは進む道ではなく、自分の意志です。自分の状態を知り、過信しないことを心がければ、危険な航海はしないで済みます。自分第一に。安全第一に進んでください。無理矢理に突き進もうとしなくてもいいのです。自分が進めるルートを見極めることも大切なのです。
自分の人生と自分の意志は別物
あなたの意志だけが、船の特性を知り、船の行き先を知り、船の状態を知っています。あなたの意志以外、船の状態を知ることは出来ません。
これがどのように自殺と関連するかというと、自殺してしまう人は、この自分の船の状態を把握しているにも関わらず、無理な航海を続けてしまい、気づいた時には溺れ、手遅れとなってしまうということなのです。
残念ながら、現実世界の海で溺れているとはワケが違います。自分の世界での海に溺れている訳ですから、他人である救助隊が助けることは不可能なのです。
ですから今この記事を読んでいるあなたは、もし本当に自殺を考えていたとしても、まだ溺れてはいないので幸運です。自殺を考えるイコール、自分の船が自分の意志とは違った方向に進みすぎてしまったために、船が操縦士に向けて警告音を出している状態と言えるでしょう。
その死にたいという感情は、「死にたい」という感情でしか認識できない、船から操縦士へのメッセージなのです。
まだ間に合う。舵を切れ!
と。
船のダメージは操縦士のダメージではない
ここで気をつけなければならないのが、人生においての真の問題は、状況が問題でないということです。船(状況)と操縦士(あなた)は別物です。船の状態や船の場所は、自分の人生における状態や状況のことで、あなたにはこれらを変える力があります。
- 私は恵まれていない
- この職場、仕事が嫌だ
- パートナーと一緒にいるのが嫌だ
- 私はもう人生を変えられない
- 誰も理解してくれない
これらは状況であって、意志(操縦士)では無い内容です。あなたではないのです。あなたは船を操る意志なのです。意志が完全になくなった時、無意識(無”意志”気)となり、自ら命を絶ってしまう。これが自殺です。
自殺する人は完全に無意識です。意志が完全になくなってしまうから、自分自身を来た場所(あの世)に戻すしか出来なくなってしまうのです。
自殺を事前のカウンセリングなどをしても止められないのはこれが理由です。
自殺者は死にたいなんて思っていないんです。自ら命を絶ってしまうほど、意志がなく(舵を切れなく)なってしまっているんです。意志があったら自殺しないでしょう、どう考えても。
死んで損するのはお前だけ!
宙船の歌詞にある「お前が消えて喜ぶ者」という意味を詳しく見ていきましょう。一体どう言う意味なのか。それは一体誰なのか?
これは私の勝手な解釈ですが、消えて喜ぶという表現は比喩で、実際に消えて喜ぶ人は居ないはず(戦争は除く)ですが、それくらいの気持ちを生きる上で持てという意味だと思うのです。
逆の言い方をするのであれば、死んで損するのはお前だけ!という事。
損するものなんて何もない。もう損しまくった。だから私が死のうと生きようと意味はない!と思いましたか?
残念ながら死ぬことは大損です。何故ならば、人間何をもがこうと結局は死ぬんです。これから逃れられた人は一人といません。誰だって最後には死ぬんです。宇宙の法則、生物の法則に基づき、必ず我々人間は死にます。
それをわざわざ自分で急ぐ必要があるのでしょうか。この世の中、生きたいのに死んでしまう人が大勢います。若くして交通事故、若くして難病、さらには記憶すらないまま、生きたことすら実感できぬまま去る小さな子もいます。
生きてるだけで丸儲け。さんまのオッサンの言葉です。丸儲けという意味は、別にお金を儲けるというだけの意味ではありません。別に望んだわけではないこの人生だが、生きることそのものが価値のあること。その人生の中で得る価値は、生きるそのものの価値には到底値(あたい)しない、という意味を込めて放った言葉だと私は解釈しています。
自殺した親父は大損です。2008年以降、何も知らないんですから。何も食べてないんですから。あーもったいない。悲しいとか残念とかいうレベルの話ではないです。素直にもったいない。生きないともったいないんです。
生きれる限りは生きたほうが、絶対良い。
他人を見すぎる日本。自分を失う日本
次に日本という国、日本人という人種の特性から、自殺との関係性について掘り下げてみましょう。
日本は裕福な国なのにも関わらず、先進国の中でも特に自殺率が高いことで有名です。これは生命に関わる境遇にさらされることがほぼ無い事に起因していると私は考えています。
日本という国では日常の生活において、飢餓や暴動など、自らの命が脅かされる事態が起こりにくいのです。となると、日々を生きる上で、この尊い生命を感じることはほぼゼロと言っていいほど無くなります。食べて寝て生きるという基本は当たり前ですから。
この状態で生きていると「生きる事そのもの価値」よりも「人生の中で得る価値」の方が上回ってしまう。
朝起きてご飯を食べ、夜に寝るという人生の基本があっての人生なのに、そんな自分が生きてる事なんて関係ないと思えてしまうほど、後付けの価値が自分の人生になってしまっている。それに加え後付けの価値での比較が始まり、さらなる不満足を生む。これが日本の現代人の心の現状です。
これを自分が失われている状態と言います。
自分が何故失われるのか。それは、生きる事そのものが「自分」だからです。生きていなければ自分はいません。自分がいるからこその人生体験であり、喜怒哀楽なわけです。
死んだ親父は確かに頑張った。僕たち家族に良い思いをさせてくれた。でもその創り上げた価値が、自分の命の価値を上回ってしまった。親父にとっては敗北だったのでしょう。
実はこの生きている時の方が夢
私たちが生まれる前、世界は存在しませんでした。私たちが死ぬ時、世界は消えてなくなります。
人間という肉体ありきの、この人生体験です。この肉体を持ってこの世にいると、人間主体の考え方が絶対となります。人間の考えなのですから当たり前です。この有限な体を持つと、有限な思考や思い込みをしてしまうのは当然なのです。
さてこの現実と思い込んでいる人生体験ですが、生まれた時から死ぬまでが人生体験ですから、前述の通り有限であることに皆さん同意していただけるかと思います。
では生まれる前と死んだ後など、この人間の肉体に意識が宿る前と後は、いわゆる私たちはあの世に居ることになります。あの世はどう形容すれば良いでしょう。有限の反対である無限、つまり永遠とでも言えば良いでしょうか。
人間として生きていると、この世がホームであの世がアウェイと感じますが、実はあの世側の方が魂レベルではホーム(故郷)という事になります。
永遠が、肉体という媒体を通じて、この地球という物理的体験(有限な世界)を体験しに来ているという事。今流行りのVRってあるじゃないですか。ゴーグルかけるやつ。あんな感じです。人間という肉体に意識が入ると、超鮮明なVRが再生されるのです。この夢が人生体験です。
結構凄いシステムだと思うんですけど、どうですか?
この記事を読んでいる時点で安泰
まだあなたには生きたいという気持ちがあるようです。なければこの記事には辿り着いていないでしょう。さらに、自殺する大半の方は前述の通り無意識です。自殺は自分で抑えられるような行動ではないのです。
自ら自分の命を絶てるなど正気の沙汰でないです!明らかに頭がイカれてます!おかしいです!
ということで、あなたの人生をより良くするためのおまじないをお教えしましょう。
Life is good!
ライフ・イズ・グッド!
と言いましょう。言霊です。 翻訳すると「生きてるだけで丸儲け」って意味です。
今日も生きてください。
1 comment